どこまでも、蒼く
~10.どこまでも、蒼く~
ひとつ、不安なことがあると、たったひとつのことなのに、大袈裟に考えてしまうのだろう。
きっと思い過ごしが半分以上占めるのに、不安で仕方がなくなる。
俺はどうしたらいい?
陽菜に本当のことを言わなくてもいいのだろうか?
でも紘人は俺に言った。
陽菜には言うな、と。
紘人には予知能力があるのだろうか?
そんな気がする。
俺と紘人は話が終わったあと、素直に教室へと行った。
遅刻扱いされてしまったけど、そんなのどうでも良かった。
ずっと心に残っている。だから陽菜との会話にも態度を表してしまって、陽菜にはひどいことをしてしまった。
心ここにあらず。
今の俺にぴったりな言葉だ。
それでも空の色は変わる。
オレンジ色に染まる教室が、とても美味しそうに見えるのは俺だけだろうか?
隣にはゆっくりと帰る支度をする陽菜がいる。
相変わらず寂しそうな表情のままだ。