どこまでも、蒼く
気になったけど、聞けなかった。
だって聞いてしまったら、楽しみが半減してしまうだろ?
俺たちは駅の中にある、大型の書店へと入っていった。
だけど、俺はまたここで不安になる。
紘人と話していた時より、もっともっと大きかった…。
誰かに胸を押さえられているように苦しくて、
息すらまともに出来なかったんだ。
『陽菜が今欲しい写真集、限定品なの。どこにも売ってなくて探してるんだ…』
興奮しながら話す陽菜を笑顔で見つめたまま、俺は陽菜のあとについていく。
ま、陽菜が俺を引っ張るから、それについていくって感じだけれど。
そして俺は発見をする。レジの前に大きな文字で書かれている文字を。
ポップ文字で目立つように書かれている文字はこうだった。
《人気写真家、坂井雅の最新写真集!
ここにあるので全部です。》
『陽菜、あれじゃねぇ?』