どこまでも、蒼く


『嵐、お前さーもうちょっと頭使えよ』


突然耳の中に入ってきた、聞き覚えのある声。
すばるしかいない。

俺はすばるの方に視線を向けた。


『…は?なんて?』


『だから!千夏はお前のこと好きなのに、どうして期待外れのことを言うのかってこと』


期待外れ?
俺は本当のことを言っているだけだぞ?
なんで期待通りのことを言わなくてはならない?嘘をついてまで。

悲しむから?
泣いてしまうから?

俺には関係ないことだ。


『俺は嘘なんかつきたくねぇの。余計なこと言うなよ』



『余計なことじゃねぇもん!!嵐に恋をしてもらいたいだけだー!!』


本当、お前はガキだな。人のことより自分のことを考えろよ。


すばるはひねくれてしまったのか、体を伏せて、寝たフリをしている。

すると今まで黙って俺達の会話を聞いていた馨が振り返りながら、眼鏡を外した。



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