どこまでも、蒼く
そう、こいつは二個上の兄貴の慶汰《けいた》だ。
世話を焼くことが趣味らしい。
いつも俺の世話ばかり焼く。
そして俺の名前は佐伯嵐《さえきあらし》
。
桜南高校の三年生。
先週から二学期なったばかりだ。
学校はまぁ普通。
楽しくもないし、つまらないわけでもない。
普通なのだ。
こういう感情もあってもいいだろう?
兄貴の慶汰は俺の部屋のカーテンを勝手に開け、目を覚ませようとする。
お節介もいいとこだ。
俺は舌打ちをして、再び布団の中へと顔を隠す。
『いい加減起きろ!俺は仕事なんだから!!』
『勝手に行けばいいだろ?ほっとけ』
慶汰は服のデザイナーの仕事をしている。
高校生のときはモデルをしていて、結構人気が高かった。
だがデザイナーの勉強を優先したため、モデル界から姿を消したのだ。
ま、俺にはどうでもいい話だけど。