どこまでも、蒼く
俺はまだそんな経験をしたことがないから、なにも言えないけれど、きっとそうなんだと思う。
でも、俺の運命は少しずつ動いていた。
お前に─…。
時間通りに担任が教室に入ってきて、出席を確認する。
そして一時間目はそのまま担任の授業だ。
俺の嫌いな古典。
そして俺はいつも通り、教科書とノートすら開けず、ずっと空を見つめる。
秋風が無断で教室の中に入ってくる。
その瞬間が好き。
心地よいから。
前では先生に指名された馨がすらすらと源氏物語を読んでいる。
すばるは…きっと寝ているだろう。
俺の学校生活は、
こうやって過ぎていくんだ。
明日─…、
俺はお前と出逢う。
これも運命だったのかな?
お前は道端に咲く、小さな雑草の命まで大切に扱う、心の優しい女性でした─…。
だから俺の心は一瞬にして奪われたんだ。