どこまでも、蒼く


自分でも何を言っているのか分からなくて…。
でも辛くはなかった。


だって俺は今ここにいる。

存在しているから。



『…なに言っているの…嵐─…』



そう言われるのは分かっていたよ。
けど陽菜の気持ちは気付いているから。

だってその涙が表しているから。



『伝えに行けよ。これがラストチャンスだぞ。
もし今行かなかったら、後悔するのはお前なんじゃないのか?もしお前が俺に気を使っているなら、そんな気は捨てろ』



陽菜の涙が加速した。


行けよ─…
俺はお前を見守るから。
約束したじゃん。
他人にはならないって。




だから─…走り出せ…。




俺の目に映った光景は、きらきらと涙を輝かせて、走り去っていく…


陽菜の姿だった─…。



幸せになってください。
俺はお前の幸せを願うことしか出来ないから…


だから…だから─…。



サヨナラ─…。



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