どこまでも、蒼く
空を見上げば、
空が笑っていた。
俺、頑張っただろ?
泣かなかったよ…。
屋上から下を見ると、
鞄を抱えて走る、陽菜の姿があった。
やっぱり愛しいって思う。
俺もいつの間にか、走り出していた。
お前のあとを追って…。
まだ伝えたいことがある。
約束のこと…
忘れていないかな?
駆け走る。
靴に履き替える時間なんてない。
そのまま、グラウンドへと出て、陽菜の名前を呼んでいたんだ。
学校に聞こえるくらい、大きな声で…。
『陽菜!!俺、お前に出逢えて本当に良かった!!幸せをありがとう!!幸せに出来なくでごめん!!でも約束は守るから!!』
他人から見たらカッコ悪いかもしれないけど、そんなのどうでも良かった。
愛を叫ぶのにカッコ良さんて必要ないから。
すると陽菜は鞄の中から一冊のあるものを出して、俺に近寄ってくる。
涙でぐしゃぐしゃにした顔で、俺を見つめる。