どこまでも、蒼く
近付いてくる陽菜。
そして俺に真っ白なアルバムのようなものを渡した。
『嵐、ごめんね。陽菜のこと最低な女だと思うけど…陽菜、幸せだったよ。素敵な時間をありがとう…。胡蝶蘭、大事に育てるね…』
涙を一粒流して、陽菜は最後に最高の笑顔を見せた。
今まで見てきた笑顔の中で一番輝いてみえた。
太陽よりも、ずっと。
背中を向けて去っていく陽菜…。
あなたを愛してました…
俺は陽菜からもらったアルバムを開いていく。
それを見た俺は、涙を流していた。
その中に並べられた写真は、陽菜と行った海の風景や、空の風景。
そして写真の中で笑っている俺の姿があった。
俺…、こんな顔をして笑うんだ─…
俺はいつもこんな笑顔で陽菜を見つめていたのかな…
そして、最後のページへと辿り着く。
そこには…、
海をバックに笑う…
俺の姿が写っていた…。
その写真の下には、
こう文字が書いてあった。
《嵐の笑顔が大好きでした》