どこまでも、蒼く
態度や表情で分からないのか?
好きとか…嫌いとか。
分かってくれないから、人間は厄介だ。
下駄箱で履き慣れたローファーに履きかえ、夕日でオレンジ色に染まったグラウンドを歩いていく。
『今日どっか行くー?俺腹減ったー』
するとすばるが腹を抱えながら、こう言った。
それを聞いた馨が、すかさず言葉を並べていく。
『お前消化早いって。小さい体でよく食べるよな』
『うるせぇ!!』
馨の言っていることは間違いない。
確かにすばるは小柄だ。馨と10センチ以上の身長差がある。
だから馨とすばるが歩いていると、とても同い年には見えない。
ま、馨が大人っぽいというのもあるけれど。
俺は黙って前に歩く二人の会話を聞いていた。
『嵐はこのあとどうする?』
すばるが後ろを振り返り、俺を見つめて言ってきた。
頭の中で考える俺。
でも『帰る』と言っても、帰らしてはくれないだろ?