どこまでも、蒼く
『おう。どうした?』
《実は、お前に大事な話があるんだ》
『うん?なに?』
俺は何て言えばいいのだろう?
でも不思議だ。
涙は流れなかった。
涙は、あの日お前が俺の前から姿を消した時、流さないと決めたから。
零れる、笑み。
《…─陽菜と結婚することにしたんだ─…》
慶汰、陽菜…
おめでとう。
幸せになってください。
お前と初めて行った海は今、俺の目の前にあるよ。
初めてキスをした観覧車も、ちゃんとあるよ。
《永遠の愛》
形は違うけど、保証はされたよね。
俺はお前との約束を守れたよ。
他人にはならなかった。
俺と陽菜はもう家族だ─…
そして、鉛筆から筆に持ち帰る。
一番初めに塗る場所は…空だ─…。
青色を取り出して、
筆に色をつける。
その色は─…