どこまでも、蒼く



『プレゼントがあるんだ…』




可愛くラッピングされた胡蝶蘭を隣にちょこんと座っている彼女に渡す。



『何?プレゼントなんて珍しい…』



『開けてみて?』




嬉しそうな表情を見せる彼女を見ていると俺まで嬉しくなる。




『可愛い花。なんていう花?』




一度しか教えないよ。




『胡蝶蘭。花言葉知ってる?』



『知らないわ…』







胡蝶蘭の花言葉は─…






『…あなたを愛しています─…』






その言葉を聞いたお前は、大粒の涙を流して、俺を包み込んだ─…。



俺は泣きじゃくる彼女を片手で抱きしめながら、キャンバスに色をつけていく。



その色は、海と同じ色で─…





だって空と海は恋人同士だから─…




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