どこまでも、蒼く


いつもそうじゃん。
『帰る』と言って、帰った例がない。
だから俺は曖昧な返事をする。


『んー、微妙』


『じゃあ駅の方行こうぜ!出発ー!!』


俺たちは駅の方にある繁華街に行くため、校門を右に曲がった。
俺は下を向いて歩いていく。


その時、変な女に会ったんだ…



道の端でしゃがんでいる黒髪の女の子。
後ろ姿で顔は分からなかったが、中学生か高校一年生くらいだろう。


俺たち三人は、その子を一瞬だけ見て、すぐに視線を逸らした。


『なにやってんだろ?あの子』


お人好しのすばるは足を止めて、その子をずっと見つめる。
すると突然、道路全体に大きな声が響き渡った。


『可哀想ー!!』


『へ!?』
『は?』
『……?』


ワケが分からない。
こう思っているのは少なからず俺たちだけではないだろう。
周りにいた生徒たちや、通行人も振り返り、この言葉を発した彼女を見ていた。



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