どこまでも、蒼く


彼女は立ち上がり、くるりと振り返る。
色が白く、大きな瞳、赤い唇。
白雪姫…この言葉が彼女にはぴったりだろう。
だけど、どこか幼くて、中学生だと思った。

白いワンピースに茶色のウエスタンブーツに身を包んだ彼女は、とても可愛らしかった。


でも俺には興味ない。
だからすばるに視線を送り、顎で指示をする。
いきなり叫ばれて、ほっとけるわけないだろ?



『…あのさ、どうしたの?』


すばるは苦笑いを浮かべて、彼女に近づく。

周りの視線が痛い。


彼女は大きな瞳に涙を浮かべて、すばるにあるものを差し出した。


『これ!!可哀想だと思わない?』


『…へ?』


彼女が差し出した、《これ》とは、萎れている一輪の小さな花だった。
きっと雑草だろう。
道の端に咲いている小さな花だ。



お前は、小さな命まで大切にする女だった─…。


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