どこまでも、蒼く
彼女はすばるに更に一歩近づき、今にも泣きそうな表情を向ける。
『小さな花でもちゃんと生きてるのに、どうして踏み潰すの?あたしこういうの嫌なの。可哀想だよ…』
そして、一粒の涙をゆっくりと流した。
俺はただそんな彼女を、『変な女』と思っていた。
馨は街灯にもたれ掛かり、小説を途中から読み始めている。
すばるは泣き出す彼女に何故が『ごめんね』と謝っている。
何だよ、これ。
別に雑草のひとつやふたつ、いいじゃねぇか。
また生えてくるんだし。
『すばる、早く行こうぜ。なんか面倒くさい。』
痺れを切らした俺は、馨を引っ張り、歩き出した。
あの女とこれ以上関わると、こっちまで変になりそうだ。
『ちょ…待てって!ごめんね?あいつ短気だから。じゃ…じゃあね!!』
すばるは彼女に上手く言って、俺たちのところへ走ってきた。
そして一言呟く。
『もう会いたくない』と。