どこまでも、蒼く
だってそうだろ?
いきなり叫ばれて、
知らない女に萎れた雑草を見せられて、挙げ句の果てには涙を流して。
どれだけ忙しい女なんだ。
もう会いたくないと思うのは当然だろ?
『なんだよー、もう嫌だよー』
隣では馨に愚痴を零しているすばるがいる。
だからお人好しの性格は苦労するんだ。
ふと、少しだけ彼女を気になった俺は、後ろを振り返ってみる。
そこにはもう、彼女の姿はなかった。
お前は誰だったの?
ひとつだけ気になることがあるんだ。
それは、首からぶら下げた、一眼レフのカメラ。丁寧に扱っているのか、それはとても綺麗だった。
お前はそれで何を撮っているのだろう?
気になることばかりだ。でももう会うことはないだろう。
…きっと。
だけどまた会ってしまうんだ。
それは、今日みたいな快晴で─…。
またお前は俺の心に残るんだ。