どこまでも、蒼く
慶汰と俺は祖父母から離れ、隣の県に引っ越してきた。
そして二人暮らしがスタートした。
両親の顔は覚えていない。
もうずっと昔のことだから。
思い出そうとしても無理だ。
頭がやめてくれと叫んでいるようだから。
俺は視線をずらして、
ベッドから下りる。
慶汰を残して、リビングへと向かう。
リビングは殺風景と言っていいほど物がない。
目立つものは大きな液晶テレビと黒のソファーくらいだ。
これも慶汰の好み。
慶汰は物を置くことがあまり好きではない。
それとは逆に俺は綺麗好きではない。
綺麗に片付けても、すぐに汚してしまう。
血の繋がった兄弟でも、似ない部分はあるのだ。
俺は冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出して、そのままがぶ飲みをする。
『コップ使え!!』
『めんどくせぇし。早く仕事行け』
テーブルに置いてあった食パンをかじりながら、ソファーに座り、テレビを付けた。