どこまでも、蒼く


顔だって格好いいし、
頭だって悪くない。
それに好かれる性格を持っている。

でも両親が生きていたらもっと息苦しくなって、存在価値などなかっただろう。

結局同じことだ。


風呂場から出て、秋の寒さを感じながら部屋に向かった。
そして濡れた髪の毛を乾かして、そのあとの記憶はない。
寝てしまったのだ。

夢の中の俺はまた不満を感じていた。

この先のことを表すかのように─…。



カーテンから覗く太陽の光が俺の顔を照らすせいで、眠りから覚めてしまった。
今何時かと携帯を手に取ると、その数字は早朝を示していた。


『…もう一回寝よ…』


今日は慶汰もいないし、こんな贅沢を出来る日はない。
もう一度目を閉じ、夢の中へ入ろうとすると、体は完全に目覚めていた。だから眠れやしない。


『うっぜぇな…』


眉間に皺を寄せ、体を起こし、リビングへ水を飲みに向かう。


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