どこまでも、蒼く
リビングには疑う光景があった。
それはエプロンをつけてフライパンを上手に扱う…慶汰の彼女が立っていた。
ありさだ。
なんでいんの?
『…は?お前なんでいんの?』
ありさは俺に気がついたのか、満面な笑みをして振り返る。
『あ!おはよ!慶汰に朝ご飯作れって言われたからさ!』
『…馬鹿じゃねぇの?』
俺は呆れた笑いをし、冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出し、がぶ飲みをする。
口元から零れ落ちる水は、徐々にスピードを速くし、床へと落ちた。
『ご飯、食べるよね?』
『いりません。食う気しませんので』
思い切り冷蔵庫を閉めて、自分の部屋へと戻った。
ありさはきっと悲しい思いでもしているのだろう。
知るか。そんなこと。
自分の部屋に戻り、携帯である人に電話をかけた。
『おい。今すぐ家に来い』
《へ?何言ってんの?まだ7時だぜ?あと1時間もあんじゃん》
それは寝ぼけたすばる。