どこまでも、蒼く
そんなことをしていると、元気な挨拶をしながら千夏が教室に入ってきた。
いつもと同じように、俺の横の空席を利用し、会話に溶け込んでいく。
『でもさ、昨日みたいな変な女が転校生だったら嫌だよな!!』
苦笑いを浮かべるすばる。
そんなすばるを見たら、笑えてきた。
『みんな、席つけ!』
すると白髪混じりの担任の先生が出席簿を持って入ってきた。
その声の指示に従う生徒たち。
とうとうこの時がやってきたか。
『えー、ちょっと変な時期なんだが、今日からこのクラスの仲間になる人がいます』
そう言って、担任は『入れ』とドアに向かって言う。
緊張の一瞬だ。
教室に入ってきたのは、高校三年生とは思えないくらい幼い顔立ちの…。
『蒼井陽菜《あおい ひな》さんだ』
雑草を大事にする、
心の広い人間で─…。
『蒼井陽菜です。宜しくです』
俺たちがもう会いたくないと思っていた人間。
これが、転校生ガール。
蒼井陽菜。