どこまでも、蒼く
それくらい覚えているよな?
『陽菜、いましたっけ?…でも雑草が踏みつぶされてて悲しい思いはしました…』
陽菜の顔から笑顔が消えていく。
そして悲しい表情に変わっていった。
また、忙しいヤツだなと思ってしまう。
俺は頬杖をつきながら、すばると陽菜の会話に耳を傾けていた。
『そこだよ!そこで会ったんだよ!!』
『んー…会いましたっけ?』
そろそろすばるが壊れるんじゃねぇか?
ほらだって、すばるの頭から見えない煙が立ち上っているように見えるから。
『も…もういいや。なんか疲れる…。ありがとう…』
最後にすばるは引きつった笑顔を見せて、馨に助けを求めたが、馨はすでに小説の世界にどっぷりと浸っている。
そんな馨を確認したすばるは涙目になって俺を見つめてきた。
俺は我慢出来ず、すばるの顔を見ながら、笑ってしまったんだ。