どこまでも、蒼く
久しぶりにこんなに笑ったような気がする。
普段あまり笑わない俺は、小さい頃から世間の一人から《感情が薄い》と言われてきた。
それは兄貴の慶汰と比較して出た結果だろう。
慶汰はいつでもどこでも笑顔を見せていて、だから可愛がられるのだ。
でも俺はいつもふくれっ面をしていた少年。
だから《感情が薄い》というレッテルが貼られたんだ。
別に本当のことだからいいけど。
『おい!嵐、笑ってんなよ!!俺すげぇ頑張ったんだから!!』
『あはは!まじウケる!』
お前は天然キャラのようだ。
だって俺がお前のことでこんなに声を出して笑っているのにも関わらず、お前は俺たちを見て、一緒になって笑っているんだから。
お前は天然という言葉がぴったりだろう。
担任が今日の1日のことを話している最中も、教室の端の、俺たちの席は笑い声で溢れていた。