どこまでも、蒼く
でもそれは本当なのかな?
俺と慶汰は性格は全くと言っていいほど似ていない。
顔はよく似ていると小さい頃から言われ続けた。でも俺はそれが嫌いだった。
いつも勝つのは慶汰。
学力も、才能も。
それに女に対しても。
勝てたことなどない。
いくら顔が似ていたって、意味ないと感じていた。
慶汰は俺のライバル。
でも…慶汰はいつも風のように俺のモノを奪っていくんだ─…。
『慶汰、時間大丈夫なのかよ?』
俺はテレビに映っていたアナログの時計を指差すと、慶汰は慌ててネクタイを締めて、家を飛び出して行った。
『早く言えよ!!食べたら直ぐに学校に行けよ!じゃあな!』
こう早口で言葉を並べて、男らしい香水の匂いだけを残して消えていった。
『…めんどくさー』
学校なんてめんどくさい。
あとどれだけ通えばいいんだよ。
俺は食パンを食べ終え、天井を見つめながら溜め息を零す。