どこまでも、蒼く
『は?』
ワケの分からない俺は、その差し出された写真集を手に取る。
するとクラスメートたちが陽菜と俺を不思議そうに見つめていた。
驚くのも当たり前だろう。
なぜなら陽菜は立ち上がって俺に写真集を渡したからだ。
別に立たなくても届く距離なのに、どうしてわざわざ立ち上がったのだろう?
当然先生の視界にも入り、陽菜は先生に注意をされるのだ。
『蒼井、座れ』
『ごめんなさーい』
陽菜は小さい声で謝り、席へと座る。
俺は渡された写真集を開いてみる。
そこには…、見たことのないような─…、
光り輝く…、
青い空が広がっていた─…。
『す…ご…』
『すごいでしょ?撮った人ね、坂井雅さんっていうの。今大学生なんだって。陽菜と少ししか違うのに尊敬しちゃうんだ。陽菜の憧れなの』
だから昨日カメラを持っていたの?
お前はそのカメラのレンズから、誰を覗いていたの─…?