どこまでも、蒼く
いつも思うこと。
それは自分の無力さ。
なにも出来ない。
この天井のように俺は真っ白なのだ。
俺と慶汰が住むマンションの家賃を払うのも慶汰で、俺の学費を払うのも慶汰。
俺は自分ではなにもしていない。
ずっとこのままなのだろうか?
それと恋愛も。
昔、彼女という存在は数えきれない程いた。
けれど俺は愛情を持っていない。
恋愛の意味が分からないのだ。
どうして恋愛をする?
どうして独占する?
俺には理解出来ない。
自由がいい。
誰が決めた?
そんな法律みたいなものを。
苦しくて泣くくらいなら、そんな法律を無視すればいいだろ?
わけが分からない。
俺は天井から視線をずらして、立ち上がる。
そしてテーブルに置いてあった色鮮やかなサラダを見下ろす。
そしてフォークでプチトマトを刺した。
口にそれを含むと、少しの酸味と甘さが口の中に広がる。
恋愛も…
このように甘酸っぱいモノだと俺はまだ知らなかった─…。