どこまでも、蒼く
いい天気なのにね。
走り出したらいろんな世界が眺められるかもしれないのに。
青色のミニカーは、赤色とほとんど形が変わらない。
変わることと言えば色くらいだろう。
俺は並べられたミニカーを口を開けて見ていた。
『青色は好き?』
『…お前まじ意味分かんねぇわ…』
もう苦笑いしか出来ない。
すると2つのミニカーを見たすばるが、瞳を輝かして俺達の中に入ってきた。
『ミニカーじゃん!いつの時代だよ!まじ懐かし!』
そう言って、すばるはそいつらを手で動かしてみる。
ようやく少しだけ動いたミニカーはダルそうに見えた。
まるですばるが子供のころに戻ったようだ。
はしゃぐようにそいつらを指先で動かしていく。
すばるの指示に従うミニカーたちは、時々加速をし、時々加速を落とす。それの繰り返し。
俺はその光景を頬杖をついてじっと見つめていた。