どこまでも、蒼く


サラダが輝いていて、
俺は食べる気を失う。
それを冷蔵庫にしまい、歯を磨きに行こうとし、洗面所へと向かう途中、部屋から音楽が聞こえてきた。

この俺は携帯の着信音。俺の好きなアーティストの歌だ。

洗面所に行くのをやめて、部屋へと寄り道をする。


ベッドの上に無造作に置かれた携帯のサブ画面を見ると、そこにはこう映っていた。


《着信 すばる》



『…なんだよ。朝から…』


愚痴を小さく漏らして、すばるからの電話に出る。


…近藤すばる。
こいつは俺の友達。
高校一年生のときに出逢った。
すばるが俺に話しかけ、それ以来ずっと一緒にいる。
三年間、クラスも同じだ。
すばるは見かけは遊んでそうだが中身はしっかりしている。
慶汰の次に、俺に世話を焼く厄介者。



『…あ?なに?』


《おはよーう!!今日もいい天気ですね!!》



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