どこまでも、蒼く
陽菜は人より天然だけど、人より心配性だよね。
『は?なにそれ』
『気に入らなかったから教室飛び出したんでしょ?それで今から陽菜があげたミニカー捨てに行くんでしょ?』
俺は握っていたミニカーの力を徐々に緩めていき、陽菜の曇る顔の前で手を開けた。
『捨てたりしねぇよ。もらったもんだし』
未だに寄り添うミニカー。
こいつらを見て羨ましいって思ったんだ。
俺さ…、
運命とか信じていないんだ。
だけどお前とこうなりたいっていう気持ちは小さくあった。
こうやって…いつまでも寄り添っていたいって。
お前はどう思っていた?
『…よかったぁ…』
ほら…。
そんな顔を見せるから息が出来ないくらい苦しくなるんだよ。
また俺の心臓は加速する。
どくん…。
また何かを訴える。
初めての経験が多すぎた。
お前と出逢って─…。