どこまでも、蒼く


きらりと光る太陽。
なんでそんなにも眩しいの?
俺にその輝きの少しだけ分けてよ。



『嵐?嵐は恋ってしたことありますか?』


『…なんで?』



秋風が俺達を包み込む。
どうしてそんなことを聞くの?
恋?恋なんかしたことない。
したくないし。
しても良いことはないって分かっているから。


『陽菜、恋って何だろって思うんだ…』



『俺に聞くなよ。俺も分かんないって』



『嵐なら知っていると思ってました…』


分かるかよ。
どこを基準にして俺に聞いている?
知らねぇよ。


学ランが熱を帯びていく。
その正体は、太陽が学ランに熱を送っているから。

嫌な空気が流れる。
沈黙は続いていく。


すると突然、陽菜はゆっくりと口を開き、信じられない言葉を並べた。


まさかお前の口からそんな言葉が出るなんて。



『嵐は慶汰に似てますね…』



< 98 / 329 >

この作品をシェア

pagetop