FiLM
第1章



フと目が覚める。
今日は週始めの月曜日。
大学入学して4回目の月曜日だ。

「昼からやしもうちょい寝よかな…」

あたし、蒼木 かおり。
高校卒業と共に大嫌いな家を飛び出し、2LDKの部屋で一人暮らし中…というのはあながちウソでもなく、家には居場所がないから、お母さん方の祖父のマンションに住んでる。
お爺ちゃんだけが、あたしのこと理解してくれてて、昔から面倒みてくれてた。
大学の入学を一番祝ってくれたのもお爺ちゃん。
そして入学祝で、この部屋をプレゼントしてくれた。
この部屋に引っ越して1ヵ月。


「もうそろそろ、じーじに会いに行かんとあかんなぁ」


そう布団に潜りながら呟くと


ピンポーン


静かな部屋にインターフォンが鳴る。
居留守を使おうかと思った。



ピンポンピンポンピンポーン…


しかし、激しくなるそれに安眠妨害されたあたしは思わず起きてドアを開けにいく。
これ以上ほっといても鳴り響くだけだから。


「うるさいねん!!何時やと思ってんの?!」







「はよー!カオリは朝から元気だなぁ」









のほほんと笑いながらあたしを見る、あたしより20cm以上でかい男。

あたしはそいつを見てため息をついた。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop