王子と姫が出会いました。
でも怒ってるんです、あたし。



「うまいか!?」

「ハンバーガーの味と、あたしの機嫌が治るのは比例しません」

「はい…」

「エサで釣るなんて安易な考えは子供だましです」

「それって姫のマジギレ?怒るとこうなるの?」



とりあえず今は腹ごしらえですから。



王子君、うるさい!!



大きなハンバーガーを食べた後、なにも言わずにシャワーを浴びた。



気まずそうにしてる王子君は自分の家なのに肩身が狭そうです。



「ひ、姫さん?」

「なんですか?」

「まさかソファーで寝るとか…」

「そうします。この前買ったお昼寝用の毛布ありますから」

「言い訳くらいさせてくれる?」

「いやっ!!」

「へっ!?」



なにも聞きたくない。



なにも知らないままでいい。



ウソはつかない約束を破られることが怖いから…。



だから『言い訳』というものはできるだけ聞きたくはない…。



あたしは…王子君が裏切ることを恐れてる…。



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