王子と姫が出会いました。
顔を上げたら指で涙を拭ってくれた。



王子君の苦しそうな笑顔を初めて見ました…。



胸が痛い…。



苦しくなる…。



信じなくてごめんなさい…。



「どうやって証明したらいい?」

「なに…を?」

「俺が姫を好きだって証拠」

「わ、わかりません…」



抱きしめたまま髪を撫でられ、頭のてっぺんにキス…。



いつの間にかこんなに好きになってる…。



「もういいです…」

「ん?」

「他のコが呼び捨てにしてたって、ベタベタされたって…」

「それって…」

「王子君はあたしに優しくしてくれるから…。それを信じます…」

「姫っ!!」



グエッ!!



つ、潰れる!!



「泣かせてごめんな!?俺、マジで反省した!!これからは男女問わず、イヤなもんはハッキリしようと思う!!」

「く、苦し…」

「あっ、わり。つい…」

「好き…ですか?」

「うん。大好きだよ、姫。世界一」



その言葉は溶けてしまうほどの甘い声でした…。



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