王子と姫が出会いました。
『そのうち帰ります』



捜索願いでも出されたらたまったもんじゃないので、それだけメールして電源を切った。



王子君の謹慎中は瑞紀君が来たり、冬次さんもやってきた。



王子君がかけられた疑いは、蘭ちゃんが晴らしてくれたみたい。



一緒に授業サボってたみたいだし…。



そして謹慎明け、学校に行ったあとに家に帰ると両親はあたしと口をきこうともしなかった…。



困らせようとしたのは間違いだったかな…。



面倒な子だと思ったのかも…。



怒られた方がマシだった…。



「パパもママもあたしなんかいらないでしょ?」

「そんなこと言ってないじゃない」

「もうひとりでいい。ひとりで暮らすから…気楽にしていいよ」

「もっとちゃんと考えましょう」



考えたってどうしようもない。



この人達はあたしを取り合うなんてことはしないんだ…。



好きにさせてるようで、あたしの意見を尊重してくれてるようで…。



関心なんかないだけだよ…。



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