王子と姫が出会いました。
昼メシの時間、見事にバックレた蘭子にイライラしながら、結局なにもないまま放課後を迎えた。



珍しく姫が俺のクラスに顔を出し、俺の心臓はキュ~ン…。



きゅ~ん…。



キャワイイ…。



「どうした?」

「今日…お泊りしてもいいですか?」



上目使いで、悲しそうで、尚且つ、めちゃくちゃ悲願されてる気が…。



一瞬にして理性が飛ぶかと思ったぜ…。



「いいけど…。珍しいな、姫からなんて」

「帰りたくないんです…」

「そっか。じゃあカギ渡しとくから先帰ってな」

「ご迷惑おかけしてごめんなさい…」



やっぱり元気がない…。



しかも迷惑だなんて思うわけあるめぇ。



どんな理由であれ、最高に嬉しいのに。



「今日ラストまでだから夜メシは先に食ってて。冷蔵庫ん中になんかあるはずだし」

「ごめんなさい…」

「ん…。とりあえずバイト行くから後でな」



なんで謝んだよ…。



気に入らねぇな…。



< 163 / 701 >

この作品をシェア

pagetop