王子と姫が出会いました。
前に学校で暴れた時の傷はわずかに残ってる。



たぶん花瓶で切れたんだろうけど、腕を数針縫った。



バイト着で隠せる傷だから、痛まなきゃ支障はない。



配送の単発バイトはクビになりました。



さすがに力仕事は傷が開くからムリだし…。



節約生活に徹しようと思う。



「おはようございま~す」

「ミズは一緒じゃねぇのか?」

「今日学校来てなかったから知らない」

「そうか。早く着替えて買い出し行ってくれ」

「了解っス」



瑞紀はきっとサボりだと思う。



たいてい適当な女んとこに転がり込んでるか、彩奈さんのとこだろう。



俺が着替え終わった頃、瑞紀がやって来た。



「やっぱサボりか」

「うん、家で寝腐ってた」

「具合でも…」

「今日王子ん家行く」

「姫いてもいいなら」

「行く…」



なんかあったような気がする…。



あの瑞紀が異様に暗い…。



次から次へといろいろあるな…。



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