王子と姫が出会いました。
散々文句を言った瑞紀はパタッと寝た。



ソファーでマジ寝…。



寝苦しそうだから愛用のキャップを取ると、伸びかけの髪は金髪。



サルみてぇ…。



寝てねぇのか、昨日…。



声が聞こえなくなったからなのか、カチャッと開いたベッドルームのドアからは姫。



「姫のお昼寝毛布、瑞紀に貸していいか?」



コクコク頷いた後、恐る恐る俺のそばへやって来た。



瑞紀の心配してんだろうな…。



「シャワー浴びたら俺も寝るから。姫は先に寝とく?」

「待ってます…」

「ん、わかった。じゃあ布団に入ってな」



ベッドに戻った姫を見てからシャワーを浴びた。



失恋ってケンカよりもいてぇのかもな…。



あの瑞紀があんな泣き方するなんて…。



まぁ散々振り回されたんだろうから、瑞紀も文句のひとつくらい言ったっていいんだ。



早く立ち直ってくれたらいいけど…。



姫も姫で大変な時だしな…。



瑞紀も姫も、どうにかなんねぇもんか…。



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