王子と姫が出会いました。
布団に入って、抱きしめて…。



小さな手を握り、癖みたいに頭にキスをする。



姫も最近寝てねぇのか、スゥーと寝息が聞こえるのが早かった。



今、姫ん家がどんな状況なのかはわからない。



自分から言わないから特に。



まさか母ちゃんに着いて行くなんてことになってねぇよな…。



違う学校なんて絶対ムリなんだけど…。



そんなことを考えてたら、いつしか俺も眠りに落ちた。



アラームで目を覚ますと、リビングから物音が聞こえてて。



隣には眠り姫。



起こさないようにそっと出ると、瑞紀がキッチンに立ってた。



「昨日はダサすぎました。忘れてください」

「ヤダね…」

「このマンション、部屋余ってるよな」

「6畳なら…」

「心機一転、住むことにする」



はぁ!?



ここ、俺ん家なんだけど!?



でも、瑞紀の泣き腫らした目を見たらイヤとは言えなかった。



「おはようございます…」

「おう、姫!!俺、ここに住むからよろしく!!」

「元気になってよかったです!!」



俺の家なんだけどな…。



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