王子と姫が出会いました。
王子君の優しさがたまらなく好き…。



この人に恋をしてよかったと毎日思います。



「瑞紀君、すっかり元気になりましたね」

「ムリしてんじゃねぇかと思うけど。中身は傷だらけだ、アイツ」



瑞紀君が失恋して、しばらく学校に来なかった。



失恋の痛手は思ってたより深かったみたいです。



その日の放課後、両親の会社へ行った。



メールを入れたら出てきたパパは、いつもの笑顔を崩さずに…。



パパなりに探してくれた物件は5つ。



不動産屋の人と行ってみた。



「ワンルームでいいよな?」

「うん、贅沢はしない」

「全部新築だから好きなとこ選ぶといい」

「パパはあの家にひとり…。寂しくない?」

「帰って寝るだけの場所なら寂しくない。姫と暮らしてもよかったけどな…」

「あたしはイヤ。あたしの存在は気にしないでください」

「たまにはご飯食べような?」



今まで夜ご飯もまともに食べたことないのにね。



< 173 / 701 >

この作品をシェア

pagetop