王子と姫が出会いました。
ふたりで行った電気屋では、手を繋いでいろんなものを見た。



家具屋さんにまで付き合ってくれて。



『新婚みてぇだな!!』



そう言って嬉しそうにする王子君をまた好きになる予感…。



「引っ越し、手伝うけど?」

「えっ!?いいんですか!?」

「荷物の整理くらい手伝ってやるよ。うちにいらない食器とかいっぱいあるから持ってってやるし」

「嬉しいです!!」



引っ越しは夏休みに入ったら。



それまではママの出て行った家で寂しく暮らす…。



でももういい。



王子君を見てると、なんだか落ちるのがバカみたいになるんです。



両親を亡くして寂しいはずの王子君があんなに笑ってるんだから。



あたしも明るく生きたいんです!!



「あたしも手伝うよ。家にヒマなヤツゴロゴロしてるから、荷物くらい運ばせるし」

「あの従業員さん達!?」

「そうそう、好きに使ってあげていいよ」

「蘭ちゃん…大好きです!!」



パパに頼りたくなかったのも事実なので、蘭ちゃんの申し出はすごく嬉しかった。



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