王子と姫が出会いました。
ママは無駄に動き回った。



洗濯も掃除もしたいって言い出したり。



ご飯が炊けた時に起きた王子君はママの存在に気づき、目覚めて5秒で正座です。



「姫さんとお付き合いをさせていただいてます、城野といいます!!」

「姫の母です。城野君、下のお名前は?」

「笑わないでくださいね?」

「うん…?」

「王子です」

「プッ!!あっ、ごめっ…じょ、冗談でしょ…?えっ、真顔ってことは本名?姫の彼氏が王子様っ!?ブブッ!!」

「…………」



ママの失礼極まりない態度にも、王子君は微笑むだけでした。



それから食べた朝ごはん。



ママの味がした。



「王子君にはいっぱいお世話になってます。だから寂しくないし、たくさん大事にしてくれてます」

「出来ちゃったとかは高校出てからにしなさいね?いろいろ大変だから」

「出来っ!?そ、そんなことしてないよね!?」



必死に頷く王子君を見て、ママが笑ってた。



今の関係の方が気楽だ。



きっとママもパパもそう思ってるはずで。



この在り方がうちの家族の本来の形態なんだと妙に納得した。



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