王子と姫が出会いました。
やっぱりムリ~
【王子】



俺様は世界の中心さ。



この愚民共めがっ!!



「王子の王子様姿、超萌える~!!」

「文化祭最高~!!」



俺の名前は王子。



現在、衣装合わせで王子様の服を着用中。



文化祭で最悪の出しもの、劇をやらなくてはいけないうちのクラス…。



毎年学年で1クラスは劇をやらなければならないらしく、クジでハズレを引いたと…。



学級委員にイラッ!!



そしてジャンケンで負けた俺が笑えない王子様役。



王子が王子様役なんて笑い者だろうが!!



「恥ずかしい。俺、恥ずかしすぎて死ぬかもしれない」

「似合ってるよ、城野君…。男役なだけマシじゃん…」

「ヤッシー、中性的な顔だからって姫役とか気の毒だな。でも俺も本気で恥ずかしいぞ」

「逃げちゃいたいね…」



真面目な八嶋君、通称ヤッシーは背も低いしカワイイ顔をしてるってだけでお姫様役を押し付けられた。



「台本できたぞ」

「仕事早いな、斎藤…」

「好きだから、こういうの」



今まで生きて来た中で最も憂鬱だ。



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