王子と姫が出会いました。
休みたい、俺…。



文化祭なんか出たくない…。



でも俺が休んだらクラスのヤツらに迷惑かけるだけで…。



「雪のように美しい姫よ…」



姫、姫、姫、姫!!



俺の彼女も姫って名前なんスけど!!



だから余計恥ずかしくてたまらない。



いっそ、白雪と呼びたい。



なのに斎藤の策略で、台本に書いてあるのは『白雪姫』ではなく『姫』という呼び名…。



わざとやりやがったな、斎藤君。



「白雪姫に名前つけねぇか!?」

「姫でいいって。それに王子様の出番なんか最後しかないんだからいいじゃん」

「じゃあこの部分!!『心の底から姫を愛している。姫ほど美しい女性などこの世にはいない。私と結婚してください』っての、本気で変えていい?」

「ムリ。やれよ」

「斎藤様~!!蹴ったの謝るから~!!」



久しぶりに俺に盾突くヤツが身近におりましたとさ。



で、結局変更はナシ。



俺は姫が見てる前で白雪姫を『姫』と呼び、人生初のプロポーズをします。



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