王子と姫が出会いました。
いつになく真剣な顔の王子君にちょっと怖くなった。



「今日姫の部屋に入ったら、たぶん後戻りはできないと思う」

「えっ…」

「覚悟があんなら開けて。ないなら…そのままカギ閉めて」

「そんな…」

「姫次第。だけど、姫が拒んでも攻めはしないから」



そう言った王子君はドアを自分の方に引いて閉めた。



チェーンを外したら後戻りはできない…。



きっと前みたいに、途中でやめられないってことを意味してる。



カギをかけても今まで通りに接してくれる…。



だけどそれじゃあ王子君が傷つく…。



たくさん我慢させてる…。



チェーンに延ばした手が迷っている。



不安が大きい…。



選ぶのはあたし…。



王子君のことは好き?



そりゃあもちろん、最上級に大好き。



怖がる必要はある?



王子君はいつも優しいです…。



初めての相手は王子君?



それしか考えられない。



あたしを求めてくれるなら、なんだっていいっ!!



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