王子と姫が出会いました。
ボロボロ零れる涙を止めることができなくて。



瑞紀君が差し出してくれたティッシュで目を押さえた。



「怖かったですっ…」

「うん」

「王子君があたしのせいでどうにかなったらって考えると…死にそうでしたっ」

「姫が責任感じるのもわかるけど、王子は望んでねぇよ?」

「でもあたしっ…迷惑ばっかり!!もうヤダよ!!」

「姫は王子の腕ン中で甘えてりゃあいいんだって。お前のためになにかするのが王子の生き甲斐だから」



珍しく瑞紀君に慰められた。



出してくれたお水を飲み、わけわからなくなるくらい愚痴った。



あたしが悪い。



あたしの存在が、王子君に迷惑をかけてると。



でも瑞紀君はそれでいいと言ってくれた。



泣きつかれてソファーで眠ってしまったことにも気づかず…。



「姫が責任感じてる」

「だろうな…」

「もっと違うやり方考えろよ…」

「頭に血がのぼった」

「バカ。スゲー傷だな…」

「全治2週間」

「あの人、相変わらずえげつねぇ…」



帰って来たみたいです…。



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