王子と姫が出会いました。
見られてる気はするのに、あたしは顔を上げられず床に視線を落とす。



こんな雰囲気初めてでどうしたらいいのかわからない…。



「姫が俺をなんとも思ってないのはわかってるから」

「あっ…ごめっ」

「大丈夫。俺が強引に付き合わせたんだから。でも、俺はたぶん…姫に一目惚れしたんだと思う」



一目惚れ…。



あたしのことをよく知りもしないのに好きになれるの?



でも王子君の目がウソを言ってない気がした…。



「あぁ…。ダメだ。ふたりきりはマズい…」

「どうしてですか?」

「それはね、姫にチューしたくなるから」



ちゅ、チュー…!?



し、したことないし!!



心の準備が出来てないからムリですよ!!



「大丈夫、変なことはしねぇって約束したもんな?」



ホッと一安心…。



心臓はドキドキしてるけど、王子君の笑顔が約束をしてくれてる…。



「だからギュ~!!」

「わっ!!」



手を引っ張られて王子君の腕の中に収まってしまった。



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