王子と姫が出会いました。
食べることが嫌いっつー人には初めて会ったけど、マジで食わない俺の義母。



きっと朝と昼は食ってなかったんだろう…。



「昼メシ食った?」

「リュウさんが手配してくれたみたいで、中華が届きました」

「やっぱり姫だけ食ったの?」

「はい…。水しか飲まないんですよ?」



そりゃあ誰でも心配する。



無理矢理口ん中に押し込んでる親父を少し気の毒に思った。



「食わなきゃ『母さん』って呼ぶぞ」

「えっ、どん引き…」

「俺も呼びたくない。だから食えよ」

「王子嫌い…。姫は好きだけど。でも冬次がいちばんチュキ~!!ぐぇっ!!」



エビチリが口から出てるよ…。



手加減ナシで口の中に中華料理を詰め込む俺のパパ。



頑張れ…。



「冬次さんも大変ですね…」

「餓死されたらしゃれになんねぇしな」



手がかかる嫁はいらないと本気で思った。



姫は絶対違う。



もしそう見えるなら、それは俺が甘やかしてるだけです。



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