王子と姫が出会いました。
その日、王子君は帰って来なかった。



泣きつかれて寝た王子君のベッド。



もうすぐ来るバレンタイン…。



隣には王子君がいなきゃ…楽しくなんてないのに…。



朝に蘭ちゃんに起こされ、学校へ行く準備をしてからリビングに出た。



瑞紀君も浮かない顔で、会話はなし。



もうすぐ学校に行くって時、玄関が開いた。



「王子っ!!お前っ…」

「なんで姫がいんの?」

「こっちが知りてぇよ。なんでそんなヤツといんだよ」

「付き合うことにした。静香と」



目も合わない…。



王子君の隣にはあたしじゃなくて静香さんの姿…。



胸がはち切れそうだ。



痛い、痛い、痛い…。



「帰ってくれる?負け犬ちゃん」



静香さんは勝ち誇った顔で王子君の腕に絡み付いた。



振り払ってよ…。



そんな腕。



王子君…?



「お前帰れ」



その言葉は紛れも無くあたしに向けられた。



冷たい目、怖い顔…。



あなたは…誰?



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