王子と姫が出会いました。
雨、雨降れ降れ
【王子】



思った以上に体の治りは早かった。



もうどこも痛くねぇ。



「ぐはっ!!」

「お前で3人目。土下座でもして詫び入れりゃぁ許してやるよ」

「ふざけんなっ…」

「そう、わかった。じゃあまだ遊ぼうか」



卑怯なマネはしてねぇよ?



ちゃんとひとりで来たし。



相手もひとりだけど。



3倍返しはケンカの基本だって叔父さんが言ってたしな。



「王子、もういいんじゃね?」

「いたのかよ瑞紀…。次行くか」

「あ~あ、可哀相に…。限度ってもんがあるだろ…」



たぶん俺って強い方だと思う。



幼稚園の頃からケンカばっかりしてたし。



だって俺の名前をバカにするから…。



ある意味名前のおかげで強くなったようなもん。



その点では名前に感謝してなくもない。



でも逆を返せば名前のせいでケンカになったんだけど…。



よくも悪くも、原点は俺のふざけた名前にあるわけですな。



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