王子と姫が出会いました。
覚えて来いと言われた招待客の顔と名前。



そりゃあもうバッチリ覚えた。



「おい、アイツ誰だっけ?」

「中畑社長です」

「中畑社長、お久しぶりです」



えっ…?



まさかライアン…曖昧なのか?



「アイツは?」

「えっと…。安元編集長です」

「あぁ、ならいい。次、アイツ」

「若手俳優のリョウタです」

「隣に並んで張り合って来い」



はぁ!?



なに言ってんだコイツ!!



俺は俳優じゃなくてモデルでもなくてただのアルバイトなんだぞ!?



でもライアンの命令に逆らえば明日からの休みがどうなるか…。



「目的はどんな…」

「隣に並んで仲良くなってくればいい。物おじすんじゃねぇぞ」

「しませんよ。興味ありませんから」

「なら行け」

「はい」



ライアン、俺頑張るよ。



なにが目的かわかんないけど…。



明日からの休みのために。



「あっ、申し訳ない」

「いや、大丈夫。あれ?君、どっかのモデル?」



わざとぶつかるっつー方法は大成功。



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