王子と姫が出会いました。
なのに次の日、そいつは姫の前ではなく、俺の前に姿を表した。



俺と似た髪型、同じ髪色。



「似合う?」

「気持ちわりぃな、お前…。まさか姫じゃなくて俺を狙って…?」

「いや、姫ちゃんだよ」



まだ姫のいない教室で、後ろ姿じゃ区別つかないかもしれない俺達。



昨日も思ったけど、体の感じも似てんだよな…。



「先輩の癖なの?ネックレス握るの」

「あ!?」

「昨日もやってたよね、それ」

「別に意味はねぇ…」

「姫ちゃんの席ってどこ?」

「うるせぇから!!教室戻れ!!」



確か九条とか言ったよな…。



また殴られてぇのか?



「王子君、おはよう!!」



そういって教室に入って来た姫はキョトンとした顔で俺達を見てた。



会わせたくなかったのに…。



「初めまして、九条 彩で~す。彩るって書いてサイって読むから」

「あっ、はい…?1年生…ですか?」

「そうそう、そして城野先輩の友達~」



誰と誰が友達になったのか聞かせてもらいたいもんだな。



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