王子と姫が出会いました。
ひとりにしちゃいけない気がした。



走って追い掛けた王子君は下駄箱で靴を掃き変えてた。



「王子…君…」

「なに?」

「帰る…の?」

「着いてくんな」



なにがあったのか全くわからない…。



あたしがなにをしたの?



彩君との間になにが…。



「待ってっ!!待って王子君…」

「あ゙ぁぁぁぁ…。イライラさせんな」

「理由がわからないのにどうしろって言うんですか!!」

「狙われてるって気付かねぇのか!!あんなに馴れ馴れしくされやがって!!」

「狙われ…」

「隙ありすぎんじゃねぇの?」



あたし…。



なにも知らないもん…。



あたしは悪くないです!!



「王子君なんか大嫌いっ!!」

「九条にでも慰めてもらえば?じゃあな」



信じられない…。



王子君がそんなこと言うなんて…。



あたしは…ただ普通に生活してただけなのに…。



王子君の背中を見てたら涙が溢れた。



旅行でもらった指輪を握り、あの時の言葉が蘇る…。



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